ほたるいかの活き漬けは、カネツルの主力商品なのですが、お客様によく「なんて読むがけ?」「沖漬けとなにが違うがけ?」とご質問をいただきます。
そこにはカネツルの、ちょっとしたこだわりがあります。
よくある「ほたるいかの沖漬け」。こちらは本来衛生上、沖で漬けることはできません。
“沖でつけているくらい新鮮な塩辛”ということで、沖漬けと呼ばれています。
一方、カネツルでは、ほたるいかの生け取り専用の船「カネツル丸」があり、生きたままのほたるいかや、活きの良い生ほたるいかを醤油に漬け込むことができます。
そのため、正真正銘「ほたるいかの活き漬け(いきづけ)」を作ることができるのです。
このほたるいか活き漬けの誕生秘話を少しばかり・・・。
今からさかのぼること30年前。雁屋 哲先生のグルメ漫画【美味しんぼ】にカネツルの現社長が登場しました(詳しくは【美味しんぼ第253話・生きた宝石】を参照ください)当時はまだほたるいかの踊り食いが一般的な時代でしたが、その後ほたるいかの持つ旋尾線虫問題が取り上げられるようになり、生食NGとなってしまいました。そこでカネツルでは「踊り食いよりおいしい生食を!」合言葉に、試行錯誤を繰り返しました。その結果、「ほたるいかの活き漬け」が誕生しました。
キンキンに冷えた海水で泳ぐほたるいかをタモで掬いあげ、保存料未使用の厳選した醤油に漬け込みます。元気いっぱいのほたるいかたちは、青白い光を放ち、キュッキュと鳴き声をあげながら、体内の海水をはくと同時に醤油を吸い込みます。ほたるいかのワタ(肝臓)が黄金色に輝きだしたら、よく漬かっている証拠。醬油を新しいものを入れ替えながら1~2日なじませたら、急速冷凍します。そうすることで、お刺身のようなみずみずしさと食感が残った「ほたるいかの活き漬け」ができあがるのです。
カネツルの主力商品「ほたるいかの活き漬け」は、美味しいお酒のあてをお探しの方にも、胸を張って自慢できる一品です。 では、カネツルでは「ほたるいかの沖漬け」は製造していないのか?
答えはノーです。ほたるいかの沖漬けの製法で作った「ほたるいかすがたづくり」という商品もご用意しております。こちらは、一度冷凍した富山湾産のほたるいかを解凍し、一尾ずつ手作業で目玉を取り、それから醤油につけてこんであります。よく居酒屋さんで突き出しに出てくるトロっとした触感のあれです。
フレッシュな香りと、ほたるいか本来のコリコリッとした食感を楽しみたい方は「ほたるいか活き漬け」を。
トロっと熟成されたワタの風味を堪能したい方は「ほたるいかすがたづくり」を。
同じほたるいかでも製法でこんなに違う!?ところを、ぜひ食べ比べてみてください!
[終]